【報道】 非常勤保育士解雇:中野区に750万円賠償命令 東京高裁 【毎日】
2007年 11月 29日
【毎日新聞】 非常勤保育士解雇:中野区に750万円賠償命令 東京高裁
4人が訴えているわけですから,単純に考えると,東京地裁がひとり40万円だったのを,東京高裁は一人187万5000円に増額したわけです。端数がなぜ生じているのか気になりますが,大躍進です。
毎日新聞さんは”解雇”としていますが,厳密に言うと期間経過後に再任用をしなかった問題です。雇い止めというものです。
また,南裁判長の仰ることはごもっともなのですが,だとしても,一般の労働契約で行われるような一般条項による救済がなぜできないのか,という疑問が残ります。
報道によると,区の対応は以下のとおりだったとされています。ここまで酷ければ,一般条項による救済はあってしかるべきではないでしょうか。そもそも論を言うのであれば,長期間にわたる公務をなぜ非常勤職員にさせているのか,という根本的な問題になるのですが。
地位の確認を認めなかった点は問題ですが,大躍進の成果です。1年分の報酬に相当する賠償を認めたということが本当にすごい。
非常勤公務員の雇い止めの損害額としても,これまでになく高額なものだったと思われます。
【追記】
浜ちゃん先生も触れておられます。
非常勤保育士の雇止め事件
東京都中野区が区立保育園の非常勤保育士28人全員を一方的に解雇したのは違法として、元非常勤保育士の女性4人が区に計1100万円の賠償などを求めた訴訟で、東京高裁は28日、1審・東京地裁判決(06年6月)を変更、賠償額を160万円から750万円に増額した。南敏文裁判長は判決で「区の対応は解雇権の乱用と言えるほど違法性が強く、勤務継続への期待権を侵害した」と述べた。
4人が訴えているわけですから,単純に考えると,東京地裁がひとり40万円だったのを,東京高裁は一人187万5000円に増額したわけです。端数がなぜ生じているのか気になりますが,大躍進です。
同区は非常勤保育士について1年ごとに任命していたが、任期切れを理由に解雇した。これは地方自治法などに根拠があるため、高裁も1審に続き解雇は容認した。一方で南裁判長は「実質は変わらないのに(安易な解雇はできない)民間の雇用契約より非常勤公務員が不利になるのは不合理。実情に即した法整備が必要」と見直しを迫った。
毎日新聞さんは”解雇”としていますが,厳密に言うと期間経過後に再任用をしなかった問題です。雇い止めというものです。
また,南裁判長の仰ることはごもっともなのですが,だとしても,一般の労働契約で行われるような一般条項による救済がなぜできないのか,という疑問が残ります。
報道によると,区の対応は以下のとおりだったとされています。ここまで酷ければ,一般条項による救済はあってしかるべきではないでしょうか。そもそも論を言うのであれば,長期間にわたる公務をなぜ非常勤職員にさせているのか,という根本的な問題になるのですが。
判決は▽解雇後に慢性的な人手不足となりパートを多数募集した▽財政危機の根拠は乏しく廃止の必要はなかった--と指摘。「当初は長期勤務を求めながら、解雇回避の努力を怠り『任期切れで縁が切れるから放置すればよい』との認識だったとさえ言える」と区の対応を厳しく批判、1年分の報酬に相当する賠償を命じた。
地位の確認を認めなかった点は問題ですが,大躍進の成果です。1年分の報酬に相当する賠償を認めたということが本当にすごい。
非常勤公務員の雇い止めの損害額としても,これまでになく高額なものだったと思われます。
【追記】
浜ちゃん先生も触れておられます。
非常勤保育士の雇止め事件
by pleorsy
| 2007-11-29 08:37
| 事件・判例